【むらさきのスカートの女】が気持ち悪いと感じる理由
皆さん、こんにちは!はちみつです🐱
今回は、第161回芥川賞を受賞した『むらさきのスカートの女』について解説をしていきたいと思います!
※一部ネタバレを含みます。
今川夏子『むらさきのスカートの女』
皆さん、この作品は読んだことがありますか?
私は読んだ瞬間から目が離せなくなって、気がついたら読み終わっていました・・・。
なんとも味が悪い、とても面白い作品でしたよね( ・_・;)
ここからはネタバレを含みますのでご注意下さい。
『むらさきのスカートの女』の気持ち悪さ
『むらさきのスカートの女』は、人間として不快感を覚えるような点がいくつも存在しています。
そして、その気持ち悪さを感じながらも読み進めてしまう理由まで、解説をしていきます
気持ち悪いと感じてしまう4つの点
1距離感がずっとおかしい
2圧倒的な説明不足
3ストーカーという犯罪行為の世界
4主人公の異常思考
こちらの通りになります。まるでミステリー小説ですね(__;)
1つずつ見ていきましょう。
1 距離感がずっとおかしい
この物語に出てくる人間関係は、どれも親密でも赤の他人でもありません。
しかも最初は赤の他人から始まりますが、主人公の異常な執着によって職場を同じにする事ができます。
これってとっても気持ち悪いですよね笑
主人公はむらさきのスカートの女を観察(言わばストーキング行為)を常に行い、自分の思い通りにさせてしまいます。
ここの距離感は異常です。
むらさきのスカートの女の恋愛にまで手を出してしまうのですから。
これは立派なストーキングであり、異質であり、常人ではありません。
読者はこのような要素から、主人公への嫌悪感を感じます。
2 圧倒的な説明不足
この小説のいちばん不穏なところは、読者が「構え続けさせられる」こと。
普通の物語は、
・事件が起きる
・山場がある
・解決に向かう
という流れです。
一方この作品は、その合図を一切出してくれません。
だから読者はずっと、「次のページで何か起きるかもしれない」という緊張状態のまま読み進めてしまうのです。
しかも結局、”何か”ははっきりとした形ではやってきません。
この奇妙なハラハラの連続が、
静かに神経を疲れさせて、気持ち悪いと感じてしまうのです。
3 ストーカーという犯罪行為の世界
物語は、最初から最後まで主人公の視点で書かれています。
その主人公はストーキングを当たり前として、その世界の中に読者は入ってしまうことになります。
まるで、私達の当たり前が壊されるような感覚、
壊されてはいけないものが、壊されていくような感覚になってしまいます。
この感覚は、”なんか気持ち悪い”と言う感覚だけ生み、後片付けはしてくれません。
不快な余韻だけを残して去って行く、そんな作品です。
4 主人公の異常思考
主人公はずっと、むらさきのスカートの女の観察を行っています。
でも読み進めると、違和感の矛先がずれていくと思います。
「なぜむらさきのスカートの女は・・・。」
から
「なぜこの主人公は・・・。」
に変わっていってしまいます。
・なぜそんなに見てしまうのか
・なぜむらさきのスカートの女に執着しているのか
読み進めるにつれて、水が濁っていくようにじっくりと、自身の感情も変化していきます。
これらは気持ち悪さを感じると同時に、新しい展開と脳は喜びます。
ここが芥川賞を受賞した1つの理由かもしれませんね。
まとめ
「むらさきのスカートの女」が気持ち悪い理由を挙げてきましたが、大量にありましたね笑
しかし、本というのは自分にとってはフィクションです。
一種の作品として受け取るときに、この気持ちの悪さは、刺激を貰った快感としておぼえ、面白い作品と判断するのです。
そして読み終えた後、少し自分に置き換えた人いるのではないのでしょうか?
・街で見かけた知らない人を見てしまう自分
・SNSで流れてくる誰かの日常を見る自分
・ちょっとした噂話
主人公が異常な分、自分と重ねるとドキッとしてしまいますよね。
この「非現実的で現実的な物語」だからこそ、一番の不快を生むポイントなんです。
この、不快感あふれる作品が世に出たこと、とても嬉しく感じます(*・ω・)
私はこの作品を読み終わった瞬間に、母親に大声でお勧めしました笑
もうちょっと詳しく説明したものをいつかあげたいなと思っております・・・。
読んでいただき、ありがとうございました♪
良い1日を!
